2021-02-11 境界 冬の神戸の寒く不夜城の誘蛾灯 詰の甘さを嘆く蹌踉の行く末と 暖簾に呑まれる肩寄せる酩酊と歩き煙草の青年 ここはどこの細道か 俯瞰で見惚れる無機質な立体と人工島の連なる 居留地からの夜景か 真顔で掛け直す三宮に至る往来 散文の留守電に重複る車の煩い さよなら告げて遠く見る長旅の原初に似た風景 ここはどこの細道か 揺られ揺られて遠ざかる目的と利己主義の投影 素知らぬ顔で白い朝 二度と騒がぬ黒い板