何も手向けぬ三途の畔
まして無粋を働く対の
水先に余薫のあるかは
誰そ彼 夢寐にも忘れぬ
藻抜け 首を回らす甲を
妨ぐ囂しい
彼は誰 自刃せし勇まし
雲隠り 甘露を啜ふ乙の
営む恭しい
同衾の絆し
何も手向けぬ三途の畔
まして無粋を働く対の
水先に余薫のあるかは
誰そ彼 夢寐にも忘れぬ
藻抜け 首を回らす甲を
妨ぐ囂しい
彼は誰 自刃せし勇まし
雲隠り 甘露を啜ふ乙の
営む恭しい
同衾の絆し
波紋の広がる
雨垂の引付ける
蹠から冷える
異相を際立たす
汀渚に揺蕩う
玉梓の根が腐る
狷介な背中に
矢尻の雨が降る
差伸べられる手と
業火は似て非なる
然り乍ら互い違う
汽水に隠る陋劣の
斃死の有様を
縁があれば色情狂「空の箱なら手前で隙間なく埋め尽くそう」
縁とすれば贖罪羊「貴方の手に掛り剥製にされたく存じます」
暗夜の樹海は無貌と偶像 端から振り翳す白旗
流浪に為るなら翻り共謀 個人にのみ係る主語
妥協の甘味で正負も均衡 二人羽織になる寝室
根深い因果を焚上げ深層 鴎は鴎という不文律
通りすがる個の無表情
見え透く街と霞む昨日
思案する暇を育てよう
覚えのある臭いだろう
立ちどまる度に走馬灯
生え抜く芝の青い模様
真綿で緩く締上げよう
覚えのある臭いだろう
幻日 頭上より取繕う
翳す 矢羽の這い蹲う
人差し指を舐り掲げよ
未だそこに在るのだと
黄色く縛られた今更は
殺し文句を吐きながら
尤もらしい理由で化粧して給う躊躇い
誰の何の受売りで均されて笑う戸惑い
行く宛を尋ねようにも
黄色く縛られた今更は
殺し方すら分からずに
馬の骨に気圧され零になり適う彷徨い
綺麗事を網羅して八方塞がる果敢ない
その先をいくら想えど