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肌色

心理的に遠ざかる人の輪郭から白黒になる
 色に塗れた記憶の中で核心ばかり発色する

物悲しい筆先が描く野生の末路
 道徳だけ手懐け涙も流せぬ人々
 顔料の唾を吐き自慰行為を促す

物理的に繰り返す声が透明から立体になる
 欲に塗れた油膜の外で肌色ばかり明滅する