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学園祭

居ないものを愛そうと肥大する晴天、幕開け青春劇
 しゃれこうべは着飾り無垢な墓守とロリィタの演技
 朱色に染まった言葉が台本通りに舞台を飛び跳ねる
 「おやすみなさい、君が愛した人。模倣に目もくれず突き進んだ人。
 尊いお顔は遂に見れないけれど、理想は雲の上、輝き放つのです。」

居ないものは殺せぬと我関せず雨天、幕間の群像劇
 立つ鳥は跡を濁さずに凪ぎの到来でアリスの症候群
 立体映像眼鏡を外せば欠伸の涙が頬を伝うのだろう
 「おはよう、僕が愛せなかった人。途方に暮れながら立ち止った人。
 その御髪に徐ら鋏をいれるとき、真の板の上、現実を見るのです。」

居ないものの生き様を浪費して曇天、幕引き茶番劇